カラス・烏・鴉

日本に広く分布している代表的なカラスはハシブトガラスハシボソガラスだ。
一般的に嫌われ者だの、汚いだの、煩いだの、ゴミを荒らすだの、人を攻撃するだの色々言われるけど、実際の所どうなのよ?と思う人にカラスの生態について書こう。

カラスは何の仲間?

カラスの分類はスズメの仲間のカラス科・カラス属になる。これだけでかくてもスズメの仲間である。
顔の構造、目、嘴と鼻の穴と鼻毛、足、羽の構造など非常に共通点が多いです。
まぁ、誰もスズメの顔とかカラスの顔は見ませんけどね。Wikipediaに高精細のドアップを用意しておいたので気になる方はどうぞ。

動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
鳥綱 Aves
スズメ目 Passeriformes
カラス科 Corvidae
カラス属 Corvus

カラス属だけでもこんだけある。
世界にはカラスの仲間が非常に多く、よく公園や民家の近くで見られる野鳥の大半がスズメ目になる。
ハンドブックを1冊持っていると便利なので、野鳥観察することがあるのなら1400円くらいで売っているのでどうだろう。
たまたま見かけた鳥の名前が分れば楽しいし、誰かと一緒なら「へぇー」とか言ってくれるかも知れない。

カラスは神の使い?

さて、カラスだけど最初に書いたような悪いイメージがあると思うけど、神様の使いや神。神聖な鳥として神話などに登場する。
神の使いとして崇められる時、綺麗だとか、派手だとかという場合が多いが、カラスは全身が黒をベースとした地味な色だ。
それでもカラスが神の使いとされるには、その行動や習性などが関わってくるのかもしれない。

死体を食べたりする掃除屋さんであり、ゴミなんかご馳走の山だとさえ思ってる雑食性だ。
基本的にハシボソは菜食主義だが、肉も食べる。肉好きのハシブトだってパンや果物、野菜も食べる。
この何でも食べるという食性が彼らが鳥類の中でもエサに困らないということにも繋がる。

戦(いくさ)や疫病などで多くの人が死んでも悪食のカラスは死体を食べるわけで、カラスは飛べるし、死んだ人の魂を空(天)に運ぶ者だと思ったのかも知れないよ?。
動物の習性や自然現象を神様や神に近いものとするのは人間の印象から由来するものが普通だ。

昔、月刊誌でニライカナイ(岡田 芽武 著)というマンガを読んだ事がある。語源は沖縄地方の方言で理想郷を表す言葉だ。
このマンガでは、人間は48の神様でできていて、カラスは1日1つの神を天に還すとされ、それが終る49日目がまんき【満忌】 忌があけるという説がある。
よく、人が死んでから49日なんたら・・・とか言われているが、このことを言うのだと思う。
カラスと仲良くできない人間は魂を運んでもらえないかも知れないぞ? (o゚ ∋ < オマエの魂なんて運んでやんねぇ

カラスは汚い?

いえいえ、とんでもありません。彼らほど綺麗好きな鳥は居ませんよ。
一番汚いのはハトです。空飛ぶネズミというくらい汚い鳥です。臭いし、水浴びも余程暑い日じゃなければしません。
あの汚い爪で乗りかかられると爪痕がミミズ腫れを起こす事があります。

しかし、カラスは土砂降りではわざとシャワーを浴びるかのように雨を喜びます。
クソ寒い真冬でも体が痒いなと思えば雪浴びや水浴びをします。見ているこっちが寒くなりそうです。
カラスの匂いを嗅いだ事がある人は「なんかいい匂いがした」とも言っています。
30羽のカラスに囲まれる事のあるオラでもカラスの匂いというものが直に嗅いだわけではないので匂いが分りません。
それだけ彼らは臭わず、お風呂好き・シャワー好きです。人間より綺麗好きかもしれないですよ。週に1度しか風呂を浴びない人よりは綺麗です。

彼らを間近に見ることがあれば分ると思いますが、非常に羽が綺麗でフワフワ・ツヤツヤしています。背中や主翼には少しだけ撥水性もあって水を弾きます。
油なのだと思いますが、彼らは羽繕いもヒマがあればしています。よく背中や脇の下を嘴で擦ってから嘴の届く範囲を撫でています。非常に念入りです。

カラスの視力は?

カラス本人じゃないと分りませんが、少なくとも100mや200mくらいは人の顔を見分けるくらい優れています。
目には猛禽類と同じく油球というフィルターがあるそうで、このシステムを利用した優れたサングラスがあります。
偏光フィルターの役割を持っているのかも知れないです。でも、その油球のおかげで黄色が識別し辛いのだとか。
黄色いゴミ袋がカラスに効果ありなんてニュースも聞きます。
人間の目が光3原色(R/G/B)で識別するのに対して、より高度な4色型色覚とのこと。それが逆に仇になっているようです。
非常に良い目をしていて、白い雪の上に落ちたパンの白い部分すらサッと見つけて拾えます。
雪国の人が晴天の道路を車で走ると眩しくてみんな白に見えますが、偏光グラスをかけると道路の雪の凹凸まで見えて走りやすい。
きっとカラスの目には最初から高級な偏光フィルターがついているからなんでしょう。視覚細胞に紫外線センサーもついているらしいですよ?

夜目が効きます。鳥目じゃーありませんよ。カラスは。
夜中に大騒ぎしている事がありますが、多分、根倉に猫が登ってきた時だと思います。
でも、少しでも見える明るさだと見えているようですね。
寝込みを襲ったことが無いので分りませんが、鳥って寝てても周囲で音がするとすぐに起きます。
まぁ、動物全般に言えますよね。

カラスの聴力は?

カラス本人に効かないと分らないですね。でも、人間の可聴域より広いと思われます・・・が、一説には人間と大差無いらしいですね。
遠くで仲間がエサを発見すると一斉にそっちに飛んでいきますが、それが聞えない時でも同じように一斉に飛んでいくときがあります。
オラの聴力は普通の人より遥かに良いのですが、周波数としてはカラスも人もあまり変わらないらしいですね。

耳は人間で言うと顎のエラの辺りにあります。羽毛の生え変わりの時は結構丸見えなんで、へぇ・・・ここにあるのか・・・と分かります。
今年生まれたヒナは秋に産毛から大人と同じ羽に生え変わります。ハゲタカみたいになる固体もありました。

カラスの言語は?

40語らしいです。
カラスに囲まれて彼らの言葉を聞いていると、発音、鳴き方、音程、イントネーションによりその数倍から数十倍くらいありそうです。

でも、その他にジェスチャ-、視線、態度での意思表示があります。
ジェスチャーの多さではハシブトガラスよりもハシボソガラスの勝ちます。
特 定の縄張りを持ち、他のハシボソの侵入を嫌うハシボソと、集団で生活するハシブトでは、両方が同時に同じ場所に終結すると明らかにハシボソガラスのボス (縄張りの主)の挙動が他のカラスよりも厳ついです。まるで要人警護のSPか893みたいな歩き方です。尾羽を広げ肩幅を広げ縄張り宣言もしますからね。

①オス・メス交互に頭を上下させながら「ンガァーンガァーンガー!」
② ①と同じ姿勢で片方が「カッポン!カッポン!カッポン!」と鳴きながら、もう片方が嘴を「カカカカカカカカカカ!」と鳴らします。
③厳つい歩き方で他のカラスの肩をツンと突付いて「どけよゴルァ!」のように優先的にエサを主張します。

ちなみにハシブトガラスは早い者勝ちです。しかし、より強い固体が他のカラスをどついたり、羽を引っ張って強引に退場させたりもします。

喧嘩はハシボソの場合、相手と取っ組み合いをして、相手を仰向けにします。
その後、胸毛を毟りまくります。家族もこぞって侵入者に乗っかって家族総出て身包み剥がそうとします。

ハシブトガラスの喧嘩は一瞬です。
同時に相手の脚を掴みに掛かります。
相手の脚首を掴んで相手を地面にねじ伏せて勝った負けたの宣言をして終了。

縄張りという習性のある無しによって喧嘩のルールが違いますが、ハシボソガラスは徹底的にやります。
ハシブトガラスは凶暴に見えて、喧嘩は紳士的です。


都会のカラスは頭がいい?

何を以って頭が良いとするかによります。
そもそも、カラスといってもハシボソとハシブトのどちらの事を言っているのか分かりません。
都会に多いハシブトガラス。田園風景が好きなハシボソガラス。
性格が違いますからね。

ハシボソガラスが車や人間にクルミを割ってもらったり、賽銭箱から小銭をゲットしてハトのエサを自販機で買う。
ハシブトガラスが公園の水呑場で蛇口を捻って水を飲む。

家族単位で行動するハシボソガラス。
グループを作って生活するハシブトガラス。

山奥で暮らすカラス。
人間の行動観察ができ、人間の生活に伴う副産物(ゴミ)を漁る都市部にすむカラス。
比較的人間と近い場所を生活の場として暮らす公園や大きな緑地のカラス。
臨海工業地帯や漁港に住む海辺のカラス。

単に彼らは環境への適応能力の高さや、食べられる物は食べようとする雑食性、それぞれの地域でそれぞれの文化があると思う。
非常に優れているのは学習能力であって、他の個体の真似をすることでその「頭の良いとされる行動」を伝播する事ができるということ。

つ まり、その地域にあった生活を編み出すのがカラスの頭の良さであって、何処に住んでいるから賢いというよりも、単にゴミを漁りやすい都会に住むカラスが増 え、余暇の間に色んな遊びを通じて人間のすることを観察したり、それを実践できる器用さを持ち合わせているだけである。
つまり、カラスはみんな頭がいいってこと。

カラスにも人並みの性格の違いがある?

人間にも体格の大きさに違いもあれば、顔も違いや髪形も違うようにカラスにもかなり個体ごとの差がある。
大きいから強引とは限らず、臆病なのも居る。小さいから引っ込み思案かといえば他の大きなカラスに負けず劣らず一生懸命にエサを貰おうとするのもいる。
黙っていれば貰えると思っている固体も居れば、ヒナのようにギーギー鳴いて気を引こうとする甘えん坊さんも居る。

そうかと思えば図体だけ立派でも遠くからこっちに投げろと威嚇するヘタレも居れば、手から離れたとたんにジャンプキャッチしてくるカラスも居る。
エサを投げれば百発百中でキャッチする芸達者のカラスも居れば、エサを投げただけでいちいち逃げるやつも居る。
風による弾道の変化を読んでキャッチするカラスも居て、オラが計算して投げたパンを微動だにせずにキャッチするもの居る。

風によるパンの弾道の違いを理解できる賢い子も居れば、風上から動かない子。必ず前に居る・必ず後ろ、いつも真横、常に斜め後ろをついてくるなど人間に対しての位置取りで信用度まで図る事ができる。
前に居る個体は絶対に何もされないと分っている個体。横は直視されるのが怖い。後ろはお零れをゲットするためにぞろぞろついてくる個体。
距離も重要で、足元から半径1mくらいの個体は殆ど怖がって居ない個体。2mくらいになるといつでも逃げてやると思っている固体。
それ以上離れているのは、エサを撒けば一斉に飛びつくだけの個体。

性 格も変わるもので、最初は草叢からじぃ・・・・っと見ているだけのカラスが慣れてくると手からエサを持って行くようになったり、いつもは積極的にエサを貰 いに来ていた個体がある日から急に距離を置くようになったり。木陰から頭だけ出していたハシボソも今では他の大人のカラスよりも大きくグループの中でもヘ ビー級で、いつも真っ先に足元に来る。
顔もクチバシの形状、鼻毛のクセっ毛の有無、頭頂部の形状、人間で言う眉毛に当る部分の有無など細かく見れば個体識別も簡単だが、一番の見分け方は性格が全く違う事かな。

カラスの知能

知能としては3~5歳児くらいの高さがあると思われる。
一部では類人猿と同等またはそれ以上。イルカ・クジラ並。
脳神経密度からすると人間以上。記憶能力も非常に優れている点。一概に体と脳味噌の体積比、大脳皮質のシワの多さなどには比例しないという。
人間などが持つ連合野これとかも参考になる)という部分が非常に発達しているらしい。特に大脳の構造や働きは非常に高度で、鳥類の中では類を見ないほどだという。

オラが彼らの生活を観察してもう1年経った。一部だが以下の事が分っている。
カラスの知能:参考サイト 

英語でカラスは?

英語でCrow(クロゥ)です。ハシブトガラスは Jungle Crow(ジャングル・クロゥ) ハシボソガラスは Carrion Crow (キャリオン・クロゥ)ですね。
だけど、ハシブトはジャングルというよりもコンクリートジャングルが好きですよね。
田園の平野部が好きな菜食主義者のハシボソガラスが キャリオン(死肉・腐肉食い)なのが不思議。
日本じゃ逆なのにね。


 
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